SFAとCRMの共通点は、どちらも顧客情報の管理を主体としたシステムである、というところにあります。ただ、管理を行っている顧客情報の出力先は異なります。そのため、よく混同されがちなSFAとCRMには同じものではありません。このうちSFAが顧客情報を管理する目的は、案件や商談情報など見込み客や顧客との折衝情報の詳細情報を記録することで営業のノウハウを蓄積したり営業活動を効率化するところにあります。

これは、そもそもその存在が登場した背景には属人化されてしまっていた営業情報の集約にあったことに由来しています。特に、SFAが誕生した欧米諸国ではセールスマンという人材の流動性が高く、在籍時に得た顧客情報が属人化したまま人材が転職し重要な情報の喪失が頻繁に発生していました。そして、その課題解決を目的に誕生したのが本システムです。つまり、営業担当者が同じシステムに顧客情報を入力することでそれらデータを企業の資産として管理できる環境を実現しました。

一方で、CRMが顧客情報を管理する目的は営業部門だけでなく開発部門、さらには情報システムやマーケティング部門などの複数の部門が顧客情報を確認しながら事業戦略を行うことを可能にする、というところにあります。さらに、多くのCRMにはマーケティング機能が備わっており、経営のためとシステムと呼ばれるほどです。このように本来の目的やアウトプットが異なるSFAとCRMではありますが、近年ではそれらを統合した製品も多く登場しているため、その境界線は曖昧になりつつあります。

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